当弁護士会から照会を受けた団体の皆様へ

弁護士会による照会は、弁護士法第23条の2に基づくものであり、以下で述べるとおり、照会先の団体の皆様には、照会に回答する法的義務がありますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

1.弁護士会による照会とは

弁護士法第23条の2に基づく照会の制度は、弁護士が受任した事件について事実を調査し、証拠資料を収集するための手段となるものではありますが、それだけに留まらず、司法における真実の発見と公正な判断を支えることを目的とする公共的な性格を強く有しており、国民の基本的人権の擁護と社会正義の実現のために不可欠な制度といえます。

2.回答・報告には法的義務があることが認められています

弁護士会から照会を受けた団体は、その職務の執行に支障がある場合や、照会に応じることで享受される公共的利益にも優越する保護しなければならない法益が他に存在する場合を除き、照会に対する回答を拒否することは許されず、裁判例上も、照会先の団体には、原則として、照会に回答・報告する法的義務があるとされています(最高裁判所平成28年10月18日第三小法廷判決・民集70巻7号1725頁のほか、京都地方裁判所昭和50年9月25日判決、大阪地方裁判所昭和62年7月20日判決、広島高等裁判所岡山支部平成12年5月25日、京都地方裁判所平成19年1月24日判決、東京地方裁判所平成22年8月10日判決、岐阜地方裁判所平成23年2月10日判決、東京高等裁判所平成23年8月3日判決など)。

3.照会の手続について

弁護士会による照会制度においては、適正な運用のため、照会権限が弁護士会に付与されています。弁護士会は、個々の弁護士による照会の申出の理由等を審査したうえ、照会の必要性と相当性が認められたものについてのみ、弁護士会会長名で官公庁や企業、事業所などの団体に対して照会を行います。

4.守秘義務や個人情報保護法との関係について

上記3のとおり、濫用的な照会を排除するための制度的保障が図られているため、弁護士会による照会に対する回答義務については、原則として照会先の団体が負う守秘義務に優先することが認められています(郵便事業会社の守秘義務に関する東京高等裁判所平成22年9月29日判決・判例時報2105号11頁参照)。

同様に、個人情報の保護に関する法律においても、弁護士会による照会は法令に基づくものであることから、照会先の団体は、あらかじめ本人の同意を得ることなく弁護士会に個人情報を回答することが許されています(同法第18条第3項第1号、個人情報保護委員会作成のガイドラインに関するQ&A参照)。

したがいまして、弁護士会による制度に基づく照会に対しては、回答する法的義務があり、正当な理由なく回答を拒否することはできませんので、照会先の団体の皆様におかれましては、この点を十分ご理解いただき、照会にご回答くださいますようお願い申し上げます。

なお、日本弁護士連合会のホームページにも、弁護士会による照会制度に関するQ&Aが掲載されていますので、以下のリンクよりご参照ください。

▶︎日本弁護士連合会:弁護士会から照会を受けた皆さまへ

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