死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明 |
2014年(平成26年)9月4日 |
香川県弁護士会 会長 籠 池 信 宏 |
本年8月29日,東京拘置所及び仙台拘置所において,各1名に対して死刑が執行された。谷垣禎一法務大臣による6度目の執行であり,現政権は合計11名に対して死刑の執行を命じたことになる。極めて遺憾であり,当会は改めて死刑執行に強く抗議する。
日本弁護士連合会は,2013年2月12日,谷垣法務大臣に対し,「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し,死刑の執行を停止するとともに,死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出し,死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し,死刑制度に関する世界の情勢について調査の上,調査結果と議論に基づき,今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと,そのような議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。 死刑の廃止は国際的な趨勢であり,世界で死刑を廃止又は停止している国は140か国に上っている。死刑を存置している国は58か国であるが,2013年に実際に死刑を執行した国は,日本を含め22か国であった。いわゆる先進国グループであるOECD(経済協力開発機構)加盟国(34か国)の中で死刑制度を存置している国は,日本・韓国・アメリカの3か国のみであるが,韓国とアメリカの18州は死刑を廃止又は停止しており,死刑を国家として統一して執行しているのは日本のみである。 当会は,これまでの死刑執行に対しても抗議してきたところであるが,今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに,改めて死刑執行を停止し,死刑に関する情報を広く国民に公開し,死刑制度の廃止について全社会的議論を直ちに開始することを求めるものである。 |