香川大学大学院香川大学・愛媛大学連合法務研究科の募集停止に関する会長声明
2014年(平成26年)5月20日
香川県弁護士会
会長 籠 池 信 宏
 香川大学大学院香川大学・愛媛大学連合法務研究科(以下「四国ロースクール」という)は、本年5月20日、平成27年度から入学者の募集を停止する旨発表した。
 四国ロースクールは、平成16年、四国唯一の法科大学院として設置され、これまで28名の司法試験合格者を出し、そのうち9名が当会に登録して弁護士活動を行っている。
 四国ロースクールは、地域における法曹教育の拠点として、「親身になって地域住民の生活を支える法曹を養成すること」を基本理念として運営され、これ迄、一定の役割を果たしてきたものである。
 当会も、四国ロースクールへの実務家教員の派遣、四国ロースクールが実施する無料法律相談会への弁護士派遣、弁護士チューターの答案添削指導による在学生・修了生への学習支援、エクスターンシップによる法律事務所への在学生の受入れ等、様々な形で四国ロースクールの運営に協力してきた。当会が、四国ロースクールの支援に取り組んできたのは、取りも直さず「地域における法曹養成を通じて、法の支配を日本の隅々にまで行き渡らせる」という司法制度改革の目的を実現するためにほかならない。「地域におけるリーガル・サービスの需要に応じ、四国地域住民の法曹教育を受ける機会を広げ、地域に根ざし地域で活躍する法曹を養成するとともに、四国地域の法曹に法学研修の機会を提供する」という役割を担うべき四国ロースクールの募集停止は、地域司法の充実・発展という司法制度改革が目指すべき目標からの大きな後退を意味するものであり、誠に残念というほかない。
 当会は、平成25年1月12日付6弁護士会会長共同声明を発し、国に対して、法科大学院の地域適正配置と地方法科大学院への適正な公的支援を要請した。同声明に記したとおり、法の支配をあまねく実現するためには、各地の様々な分野から法曹を生み出すことが重要であり、そのためには、地方在住者がその地域で教育を受けて法曹になる機会を実質的に保障することが、司法制度改革の目的に直結する理念として、とりわけ重視されなければならない。しかるに、今般の四国ロースクールの募集停止により、高等裁判所管内にロースクールが一校も存しない地域が生ずることとなるところ、かような事態は、司法制度改革の理念を大きく損なう憂慮すべき事態であると言わなければならない。あらためて、当会は、国に対し、法曹養成機関の地域適正配置を実現するための適切な施策を講じるよう強く要請する。
 当会においては、上述した地域法曹養成の重要性に鑑み、今後とも引き続き、四国ロースクールへの協力と支援を惜しまず提供する所存である。四国ロースクールにおいても、法曹養成機関としての責務を踏まえ、在校生及び修了生に対して、最大限の修学支援を実施するよう要請する次第である。